未来のミライがめちゃめちゃ面白くなかった

・NHKでやっていた芸能人の祖先の美化されたエピソードをみせて、お涙ちょうだいするやつをアニメでやった感じ。ただし、アニメは三次元的身体を持たない記号的身体なので、一般化されやすいため、より不快。

・お前は親から生まれてきた存在であり、つまりは血縁と共同体の歴史とを引き受けるべき存在だ、というところまではまあよく見かけるやつかな、と思っていたが、ゆえにこの現在を誇りに思え、みたいな流れはさすがに辛かった。どんなに(こんなに)クソな世界でも批判することは許さない、というか「これでよくね」みたいなのが単純に受け容れられなかった。

 もし仮に、「好きくない!」といって甘え?ているくうちゃんをリベラルとみなし、それが他者を同じ歴史共同体に属しているという理由で取り入れ、この現状に満足するという保守的なあり方を成熟の物語として描いたのだとしたら、本当にキビシイ。

細田守作品としてはもちろんぶっちぎりで面白くないし、見る価値もないとフツウに思います。

映像のアイディアも全てどこかで見たことがあるやつだったので、そっちの楽しさもゼロ。

・唯一、救いを見いだせるとしたら、「なぜあれほど歪な構造の家にしたのか」という所だと思う。完全に観客の方を向いた舞台装置のような設計で、しかもバリアフリー要素なども皆無。不要な段差だらけで、子供を育てるには全くの不向き。ここに何かこの作品全体をひっくり返してしまうような、すべての虚構性を強調するようなものがある。

というしかない気がする…